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翻訳書紹介・Masaaki Hatsumi: Dojo Art / 初見良昭:道場アート

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Masaaki Hatsumi: Dojo Art / 初見良昭:道場アート

Kickstarterで資金を募ることで実現した出版企画で、「最後の忍者」と称されることもある武神館宗家・初見良昭の書画と、道場での稽古の様子を写した武術写真を合わせて収めた豪華な画集です。

60032ef5973ce111f5bb89bfa3e8b9f3_large初見良昭は道場での稽古の合間に書画をしたため、弟子に贈っていたのですが、弟子のひとりであるスティーヴ・オルセンがそうした書画を写真として記録に残すプロジェクトを2009年から始め、この本の誕生へとつながりました。

世界中にちらばる弟子がKickstarter経由で出資して、製作が始まったのが昨年春。 テキストはすべて2ヶ国語にするという方針だったため、共通の友人の紹介で私がテキストの翻訳担当者としてプロジェクトに加わりました。

スティーヴの書いた英文解説もあれば宗家が寄せた和文のプロローグもあり、収録された書もすべて英訳をつけるということで、翻訳作業は和英・英和両方向。「翻訳臭の漂うテキストにはしたくない、必要なら原文も修正しつつ、和英文のどちらも自然に読める文章にしたい」というのが最初に示された方針でした。時間や労力を惜しまず最高の本を作ろうと、訳文案をやりとりしながらお互い推敲を重ね、納得できるまでテキストを磨いていきました。

特に宗家の書は武術の真髄を数文字で表現する難解なものが多く、一文字の解釈に何週間も延々とメールで意見を戦わせたこともあります。 出版・実務を問わず翻訳は時間との戦いになることが多く、どこかで訳文の推敲を見切らなければならないポイントに至るのが普通です。今回、事実上時間制限無しの共同作業で徹底的に訳文を練るという、ある意味贅沢な作業に関わることができたことは、翻訳者としても非常に刺激的でした。

完成した本の中身については、ウェブサイトをぜひご覧ください。翻訳と同様デザイン、装丁についても徹底的な吟味をしたことが窺える、美しく迫力ある美術書に仕上がっています。武術と芸術は一見まったく別の世界のようですが、ここに収められた作品を見て、筆が紙に触れる一瞬に生まれる書画は、武術と同様瞬間の芸術なのだと実感しました。

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