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Otsukaresamadeshita / お疲れさまでした

お疲れさまでした。

・・・

・・・って、英語で何て言うんでしょう?
昨日悩んでしまった場面です。

昨日の仕事は観光バスのツアーの同行でした。乗客は日本に着いたばかりの外国人。でも添乗員は英語ができないガイド嬢。私は団体の引率兼ガイド嬢の説明の通訳です。タダで東京観光ができ(以前行ったことがある場所ばかりだったけど)、新しく知ったこともけっこうあり(知らなかったので通訳には苦労した)、まあ悪くない仕事でした(ペイは悪かったけど)。

私が引率なのでガイド嬢は観光施設には入らず、バスで運転手さんと団体の帰りを待っています。
で、私たちが施設からバスに戻ってくると、ガイド嬢さんが乗り込むひとりひとりにかけた言葉がこの「お疲れさまでした」でした。
日本に来るというのでちょっと日本語旅行会話を一夜漬けしてきたアメリカ人お客さんが
「彼女何て言ったの?」と聞きます。
「『お疲れさまでした』」
「それどういう意味?」
当然の質問なのですが、はたと困りました。

皆さんならこれ、どうやって訳しますか?

・・・

たとえばこれが大事な商談をまとめて戻ってきたとか長い会議が終わったとかいった仕事のシチュエーションだったら、
“Nice work”
“Well done”
といった訳がぴったりです。その仕事をしてもらったことで恩恵を受ける立場にあるなら
“Thank you”
もアリ。また、仕事が終わって帰るときの「お疲れさま」なら単に
“Good night, see you tomorrow”
になるでしょう。

が、ここではお疲れさまと言われた側は一仕事片付けてきたわけではなく、楽しい観光をして戻ってきたところなので、上記の訳はすべて見当違いになってしまいます。では逆に、英語圏で観光バスに乗ったという想定でガイドがなんと言うかなあと考えてみると、例えば
“Welcome back”
“Hope you enjoyed the visit”
あるいは
“How was it?”
“Did you enjoy it?”
“Was it good?”
なんて質問をしてくる可能性もあるし、冗談で
“So you’ve survived the [アトラクション名] then!”
なーんて言う人もいるかもしれません(これがいちばん「お疲れさま」に近いかも)。
が、どれも「お疲れさま」とはずいぶん意図するところが違ってしまいます。

この手ごわい慣用句「お疲れさま」、翻訳者同士の会話やメーリングリストの質問でも出てくることがありますが、結局は「文化の違いの問題だから、きっちり対応する言い回しはない」というところに落ち着きます。

あるアメリカ人翻訳者が初めて日本に住んだ時、仕事を届けに事務所に行くと、日本人事務員がそれを受け取るときにいつも”You must be very tired”と言うので不思議に思ったそうです。事務員さんは「お疲れさまでした」のつもりで英語で「きっとお疲れでしょうね」と言っていたわけです。それから、こちらは英国人翻訳者ですが、日本でJETとして市役所で働いていたとき、いつも帰るときに同僚が「お疲れさま」と言うのを、単なる挨拶とは知らなかったので、まさに”You must be tired”と言われたのだと思い、そのたびに「いや、私べつに疲れてないですよ」と返事していたそうです。

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