ヒラリーは「そうね」と言ったのか ― 翻訳と役割語の問題

良くも悪くも世界が注目するアメリカ大統領選挙。11月の本選挙が迫ってキャンペーンもたけなわの9月26日、第一回目の候補者ディベートが開催され、その様子は日本でも報道されたらしい。Twitterで「東洋経済オンライン」が発信したツイートが流れてきたのだが、そこにリンクされている記事を開いてびっくりした。 「この討論会が終わった頃には全て私のせいにされそうだわ」 「そうね、これまでと同じように訳のわからないことを言うといいわ」 ヒラリー・クリントン大統領候補が、いわゆる女ことばでディベートしているのである。

サイトをリニューアルしました

ウェブサイトをリニューアルしました。お気づきの点やコメント、ご要望等があればお知らせください。

IJET-27に参加しました

6月18~19日に宮城県仙台市で開かれた第27回英日・日英翻訳国際会議(IJET-27)に参加しました。今回のIJETは220人が参加する大規模なイベントで、午後からのメインプログラムは5セッションが並行で進行するという盛り沢山の内容。どれに行くのかを選ぶのが大変でした。

日本でRSI講演ツアー

6月に4カ所で「あなたの腱鞘炎・腰痛・肩こり対策は間違っていませんか?〜長く続けられる仕事のやり方を考える〜」というタイトルの講演を行います。2014〜2015年にかけてアルク社ウェブサイトで連載した「コンピューターで仕事をする人のためのRSI対策ガイド 〜肩こり、腱鞘炎、頸肩腕症候群…仕事を続けるために知っておきたいこと~ 」で書いた内容についてまとめたセミナー・ワークショップです。

ツイートメモ:英国翻訳会社協会(ATC)のISO 17100 ウェビナー受講

ISO 17100規格については日本の方が大きな話題になっていて、英国ではあまり情報を見ないのですが、英国翻訳会社協会(ATC)がウェビナーを開催すると聞き、受講しました。全体としてはISO 17100認証取得を考えている翻訳会社や個人翻訳者のための内容でしたが、私は個人的に関心があった「欧州規格EN 15038との差異」という点に注目して聞きました。後日きちんとまとめたいと思いますが、とりあえずツイッターでメモした内容を1か所にまとめておきます。

明けましておめでとうございます

To all my clients, colleagues, friends and followers - wishing you all the very best for a prosperous new year!

旧年中は大変お世話になりました。今年もよろしくお願いします。

Accountability再訪(ツイートメモ)

Accountabilityという言葉の訳について連続ツイートしたので、忘れないようにメモしておきます。

下請法関連リンク集

フリーランス翻訳者は、下請代金支払遅延等防止法(下請法)の定める下請事業者に当たります。下請法は親事業者が資本金1千万円を超える法人である場合のみ適用されますが、JTFでは、資本金の額にかかわらずすべての法人会員に対し、個人翻訳者等との取引において下請法に従うよう要請しているとのこと。

戦後70年安倍談話の原文と翻訳を並べてみた / What PM Abe has said in his WWII statement

先ほど日本で安部首相が戦後70年談話を発表しました。今回の発表では英訳版が同時に出されています。両者を比較したい翻訳者も多いと思いますので、キーワードを抜き出してみました。 Japan's Prime Minister Abe Shinzo has just released his statement on the 70th anniversary of the end of World War II. The cabinet office released an official English translation of this statement at the same time. I think quite a few of us working between Japanese and English will be interested to see how the translation dealt with the key words and phrases of this much anticipated statement, so I thought I'd pick them out for copmarison. 談話発表前の報道の主な関心は、村山・小泉前首相による戦後50・60年談話に盛り込まれていた以下のキーワードをどう扱ったかという点でした。 Before the statement came out, the focus of the media speculation centred around these key words that were included in his predecessors' 50th and 60th anniversary statements:
  • 植民地支配/colonial rule
  • 侵略/invasion
  • お詫び/apology
  • 反省/repentance
百年以上前の世界には、西洋諸国を中心とした国々の広大な植民地が、広がっていました。圧倒的な技術優位を背景に、植民地支配の波は、十九世紀、アジアにも押し寄せました。その危機感が、日本にとって、近代化の原動力となったことは、間違いありません。アジアで最初に立憲政治を打ち立て、独立を守り抜きました。日露戦争は、植民地支配のもとにあった、多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました。 More than one hundred years ago, vast colonies possessed mainly by the Western powers stretched out across the world. With their overwhelming supremacy in technology, waves of colonial rule surged toward Asia in the 19th century. There is no doubt that the resultant sense of crisis drove Japan forward to achieve modernization. Japan built a constitutional government earlier than any other nation in Asia. The country preserved its independence throughout. The Japan-Russia War gave encouragement to many people under colonial rule from Asia to Africa.
事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない。植民地支配から永遠に訣別し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない。 先の大戦への深い悔悟の念と共に、我が国は、そう誓いました。 Incident, aggression, war — we shall never again resort to any form of the threat or use of force as a means of settling international disputes. We shall abandon colonial rule forever and respect the right of self-determination of all peoples throughout the world. With deep repentance for the war, Japan made that pledge.
我が国は、先の大戦における行いについて、繰り返し、痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを表明してきました。 Japan has repeatedly expressed the feelings of deep remorse and heartfelt apology for its actions during the war.
日本では、戦後生まれの世代が、今や、人口の八割を超えています。あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません。 In Japan, the postwar generations now exceed eighty per cent of its population. We must not let our children, grandchildren, and even further generations to come, who have nothing to do with that war, be predestined to apologize.
原文を見てまず思うことは、安倍首相が明らかにこうしたキーワードが報道の焦点になることを意識しており、それを盛り込むことを重要視していたという点。しかし一方で、文脈や主語を工夫することにより、こうしたキーワードについての言質を取られないようにすることに注力していたことがよくわかります。英文版作成にあたってはこの辺りの処理にかなり頭を抱えたと思われ、結果的に原文での主語処理の意図が反映されていない部分もあるように感じられます。同業者の皆様、どう思われるでしょうか。 Looking at the original Japanese text, it's clear that Abe was keenly aware of the media focus on the key words; he made sure that they were all there. Another thing he obviously paid a lot of attention to, however, was that the none of these key words should appear as his own words or statements of intent, with crafty use of subjects and contextual caveats. This must have presented a major headache to the translator(s?) tasked with the production of the English version. I feel that, in places, the translator admitted defeat and opted for more clarity. I'd be very interested to hear what other Japanese/English translators think of this effort.

日本会議通訳者協会発足

Update:

日本会議通訳者協会(JACI)の公式ウェブサイトが開設されました。お問い合わせ等はこちらからどうぞ。 http://www.japan-interpreters.org/
2015年4月1日に、日本会議通訳者協会(JACI)という新組織が発足するそうです。 日本には日本翻訳者協会(Japan Association of Translators)という活発に活動している翻訳業界団体があり、その中に通訳者の分科会(Special Interest… Read more...